曲面の法ベクトル場 法線ベクトル(ほうせんベクトル、英: normal vector)とは、2次元平面においては、曲線上の点における接線に垂直な平面ベクトル、3次元空間においては、曲面上の点における接平面に垂直な空間ベクトルのことである。法線(ほうせん、英: normal)とは、接線や接平面に垂直な直線のことである。
曲線(曲面)上の点に対して法線ベクトルは1つに決まらないことに注意する必要がある。そこで中でも単位ベクトル(ノルムが 1)であるものを単位法(線)ベクトル(英: normal unit vector)というが、それでも2つあることに注意する必要がある。
3次元での例
平面の法線ベクトルの例 曲面の法線ベクトルは、2つの線形独立な接ベクトルの外積として求めることができる。
右図で示した右手系の正規直交座標系において、直方体の一つの面の頂点を A, B, C, D とすると、面 ABCD の法線ベクトル N は、
![{\displaystyle {\boldsymbol {N}}={\overrightarrow {\text{AB}}}\times {\overrightarrow {\text{AD}}}}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/6940eeefe07df38d508778f1840922cb33c5eae8)
となる。ここで ×はベクトルの外積を表す。ノルムは線分 AD と線分 BC の長さの積となっている。
線分 AB と線分 DC が x軸に平行で、線分 AD と線分 BC が z軸に平行な場合、
![{\displaystyle {\boldsymbol {N}}=-|{\overrightarrow {\text{AB}}}|{\boldsymbol {i}}\times |{\overrightarrow {\text{AD}}}|{\boldsymbol {k}}=|{\overrightarrow {\text{AB}}}||{\overrightarrow {\text{AD}}}|{\boldsymbol {j}}}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/86450a2d857ddd2ca068d6d3254f785b3bbaa857)
となる。ここで j は y軸方向の単位ベクトルである。
導出
平面において、
- 曲線
上の点
における法線ベクトル:
- 特に、直線
上の点
における法線ベクトル:![{\displaystyle (a,b)}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/d7e5710198f33b00695903460983021e75860e2c)
- 曲線
(t は媒介変数)の
における点の法線ベクトル:![{\displaystyle \pm (y'(t_{0}),-x'(t_{0}))}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/981507a88a5228cbc89971c7e97768c73dcb5bdb)
接空間の法線ベクトルによる表示
接点と法線ベクトルから、元の接空間を表すことができる。
- 接点
、法線ベクトル
の接空間の方程式は ![{\displaystyle {\boldsymbol {n}}\cdot ({\boldsymbol {x}}-{\boldsymbol {a}})=0}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/ed47e1b95ebeba2d64d53dbc64f46c2ab824b0cc)
関連項目
外部リンク
典拠管理データベース: 国立図書館 ![ウィキデータを編集](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/8a/OOjs_UI_icon_edit-ltr-progressive.svg/10px-OOjs_UI_icon_edit-ltr-progressive.svg.png) | |
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