バシケーン

バシケーン
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 2005年3月29日(19歳)
登録日 2007年8月16日
抹消日 2012年11月23日
シルクジャスティス
リンダトリアーノ
母の父 ロドリゴデトリアーノ
生国 日本の旗 日本北海道新冠町
生産者 上井農場
馬主 石橋英郎
調教師 高橋義博美浦
競走成績
生涯成績 28戦3勝(障害競走
8戦0勝(平地競走
獲得賞金 1億4294万3000円
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バシケーンは、日本競走馬2010年中山大障害優勝馬。馬名の由来は馬主名+人名。

経歴

競走馬時代

平地競走では8戦すべて単勝オッズ100倍を超える二桁人気。結果も全戦勝ち馬から2秒以上離される二桁着順、そのうち最下位が4回という散々な内容を見せ、3歳春早々に平地に見切りをつけ障害競走へと転向となる。

入障後11戦目にしてようやく初勝利をあげたバシケーンはその後、障害オープン1勝を勝ち鞍に加え2010年12月中山大障害へと駒を進める。

レースの関心は同レース5年連続連対中のメルシーエイタイムや2010年春の中山グランドジャンプ3着のトーワベガに集まり[1][2]、障害のキャリアだけなら出走馬中2番目となる22戦を経験も勝ち鞍は2勝、重賞での入着実績無しのバシケーンへの評価は単勝10番人気と芳しいものではなかった。

管理する高橋義博調教師も出走にあたり「63キロを背負ってのGIは甘くない」[1]と控えめな発言をするも、その一方で障害入り後も敗戦を重ねたバシケーンを「使いながら何かを得、その度に強くなる馬」と評し[3]レースに出走させ続け、「力をつけた今、密かな楽しみはある」[1]とその成長ぶりに期待も寄せていた。レースが始まると「折り合いだけには気をつけた」という蓑島騎手を背にバシケーンは後方待機を続け最終障害を飛越後、一気に先行馬を競り落とし優勝、重賞初制覇をJ・GIで飾り、高橋義博調教師に開業12年目での重賞初勝利をもたらした[4]他、シルクジャスティス産駒初のJRA重賞勝ちと初物づくしの勝ち星となった。また2010年のJRA賞最優秀障害馬に選出された。

2011年は春麗ジャンプステークスから始動、中団から追い込むもランヘランバの3着に敗れた。その後は中山グランドジャンプを目標にしていたが、左前浅屈腱炎を発症し長期休養を余儀なくされる[5]

2012年3月10日阪神スプリングジャンプで1年1カ月ぶりに戦線復帰したが6着。続く中山グランドジャンプは中団追走も失速し12着に終わった。6月30日の福島ジャンプステークスは後方から追い込み4着。10月14日の東京ハイジャンプで10着に敗れたのを最後に現役を引退、11月23日に競走馬登録を抹消された[6][7]

第133回中山大障害・バシケーン(右から3頭目)

引退後

引退後は福島県田村市の鎌田牧場で乗馬となると報道されたいた[6][7]が、相馬市相馬中村神社に繋養されることになり、同神社で相馬野馬追に出場する神馬を務めていた[8][9]2018年より引退名馬繋養展示事業の助成対象馬となり[10]同年7月に同じく相馬市のナインスターステーブルに移っている。

競走成績

年月日 競馬場 競走名 頭数 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム
(上り3F
平均1F)
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2007 9. 30 中山 2歳新馬 11 169.8 (11人) 10着 吉田隼人 54 芝1600m(重) 1:41.7 (39.5) 4.1 ダークエンジェル
10. 21 東京 2歳未勝利 12 218.1 (10人) 12着 大庭和弥 55 芝1600m(良) 1:39.1 (36.8) 2.7 ナムラノブナガ
11. 3 東京 2歳未勝利 16 229.2 (14人) 16着 大庭和弥 55 ダ1600m(良) 1:44.4 (42.1) 3.3 ベストロケーション
11. 18 東京 2歳未勝利 12 300.0 (10人) 10着 大庭和弥 55 ダ1300m(良) 1:23.7 (39.6) 3.5 トーセンステルス
12. 16 中山 2歳未勝利 16 194.6 (10人) 13着 大庭和弥 55 ダ1200m(良) 1:16.3 (40.7) 3.4 クレムリンエッグ
2008 2. 9 小倉 3歳未勝利 14 217.7 (13人) 14着 嘉藤貴行 56 ダ1000m(稍) 1:02.1 (37.7) 2.3 コウエイアンズ
3. 9 中山 3歳未勝利 14 263.1 (13人) 11着 大庭和弥 58 ダ1200m(良) 1:16.3 (39.7) 2.5 プライドオブキング
3. 30 中山 3歳未勝利 16 266.0 (12人) 16着 大庭和弥 56 ダ1200m(良) 1:16.0 (40.0) 4.2 ファイナルスコアー
6. 29 福島 3歳上障害未勝利 14 138.2 (14人) 8着 蓑島靖典 58 障2750m(良) 3:06.2 (13.5) 5.1 ホットビスティー
8. 3 新潟 3歳上障害未勝利 14 79.2 (12人) 10着 蓑島靖典 58 障2850m(良) 3:09.7 (13.3) 4.0 メテオバースト
8. 30 新潟 3歳上障害未勝利 14 48.9 (9人) 4着 大庭和弥 58 障2850m(稍) 3:07.7 (13.2) 0.1 トーセンセレニティ
9. 20 中山 3歳上障害未勝利 9 7.3 (3人) 中止 宗像徹 58 障2880m(良) ジュラナスリング
12. 20 中山 3歳上障害未勝利 14 63.0 (12人) 6着 蓑島靖典 58 障2880m(良) 3:18.7 (13.8) 3.1 グリューエント
2009 1. 5 中山 中山新春JS OP 13 104.5 (13人) 8着 山本康志 59 障3200m(良) 3:40.7 (13.8) 3.1 シュフルール
2. 7 東京 春麗JS OP 14 82.3 (11人) 11着 山本康志 59 障3300m(良) 3:46.1 (13.7) 6.3 コウヨウウェーブ
2. 21 東京 4歳上障害未勝利 14 47.2 (9人) 2着 蓑島靖典 59 障3000m(稍) 3:21.0 (13.4) 0.3 ドクターグリム
3. 15 中山 4歳上障害未勝利 14 4.7 (2人) 3着 蓑島靖典 59 障2880m(重) 3:18.7 (13.8) 1.6 エステヴァン
4. 11 中山 4歳上障害未勝利 14 3.4 (1人) 2着 蓑島靖典 59 障2880m(良) 3:12.8 (13.4) 0.2 アラメダキング
5. 9 東京 4歳上障害未勝利 13 2.3 (1人) 1着 蓑島靖典 59 障3000m(稍) 3:24.0 (13.6) -0.7 (トレオウオブキング)
11. 21 東京 秋陽JS OP 14 29.9 (7人) 2着 蓑島靖典 59 障3300m(良) 3:40.4 (13.4) 0.4 ゴールデンシャイン
12. 5 中山 イルミネーションJS OP 16 15.2 (6人) 6着 蓑島靖典 60 障3300m(稍) 4:00.5 (13.5) 0.9 ムーンレスナイト
2010 1. 9 中山 中山新春JS OP 14 12.9 (5人) 3着 蓑島靖典 60 障3200m(良) 3:35.2 (13.5) 1.1 フォルテベリーニ
1. 31 京都 4歳上障害OP OP 14 13.1 (6人) 3着 蓑島靖典 60 障3190m(良) 3:33.9 (13.4) 0.1 トロピカルクイーン
2. 28 阪神 4歳上障害OP OP 14 3.5 (2人) 4着 蓑島靖典 60 障3110m(稍) 3:31.4 (13.6) 1.1 タマモサプライズ
3. 27 中山 ペガサスJS OP 13 8.5 (5人) 1着 蓑島靖典 60 障3350m(稍) 3:44.6 (13.4) -0.3 (ドールリヴィエール)
4. 17 中山 中山GJ J・GI 14 18.2 (6人) 9着 蓑島靖典 63.5 障4250m(不) 5:04.9 (14.3) 1.4 メルシーモンサン
6. 12 東京 東京JS J・GIII 14 11.4 (6人) 12着 蓑島靖典 60 障3300m(良) 3:40.6 (13.4) 3.0 ギルティストライク
9. 26 中山 障害OP OP 14 19.7 (7人) 4着 蓑島靖典 61 障3210m(稍) 3:36.7 (13.5) 1.0 タマモグレアー
10. 16 東京 東京HJ J・GII 14 63.7 (13人) 10着 蓑島靖典 60 障3300m(良) 3:40.6 (13.4) 1.5 イコールパートナー
11. 20 東京 秋陽JS OP 14 15.8 (5人) 2着 蓑島靖典 60 障3300m(良) 3:38.9 (13.3) 0.2 ビコーフェザー
12. 25 中山 中山大障害 J・GI 12 56.8 (10人) 1着 蓑島靖典 63 障4100m(良) 4:46.1 (14.0) 0.0 (タマモグレアー)
2011 2. 5 東京 春麗JS OP 14 6.7 (2人) 3着 蓑島靖典 63 障3300m(良) 3:39.0 (13.3) 1.0 ランヘランバ
2012 3. 10 阪神 阪神SJ J・GII 11 21.2 (5人) 6着 蓑島靖典 62 障3900m(良) 4:29.3 (13.8) 4.9 バアゼルリバー
4. 14 中山 中山GJ J・GI 13 16.1 (5人) 12着 五十嵐雄祐 63 障4250m(不) 5:11.2 (14.6) 8.3 マジェスティバイオ
6. 30 福島 福島JS OP 14 58.5 (10人) 4着 蓑島靖典 65 障3380m(良) 3:47.6 (13.5) 1.9 ロックバルーン
10. 14 東京 東京HJ J・GII 14 76.9 (12人) 10着 蓑島靖典 62 障3110m(良) 3:29.8 (13.5) 2.7 デンコウオクトパス

血統表

バシケーン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ロベルト系

シルクジャスティス
1994 栗毛
父の父
*ブライアンズタイム
Brian's Time
1985 黒鹿毛
Roberto Hail to Reason
Bramalea
Kelley's Day Graustark
Golden Trail
父の母
ユーワメルド
1983 鹿毛
*サティンゴ Petingo
Saquebute
ピーチガール *セダン
メリーブラット

リンダトリアーノ
1998 栗毛
*ロドリゴデトリアーノ
Rodrigo de Triano
1989 栗毛
El Gran Senor Northern Dancer
Sex Appeal
Hot Princess *ホットスパーク
Aspara
母の母
ミスコンテスト
1990 黒鹿毛
*リアルシャダイ Roberto
Desert Vixen
*コンカロ Caro
Confess
母系(F-No.) (FN:23-b) [§ 2]
5代内の近親交配 Roberto 3×4 [§ 3]
出典
  1. ^ [11]
  2. ^ [11]
  3. ^ [11]


脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c 2010年12月25日競馬エイトレース展望
  2. ^ 2010年12月25日競馬ブックレース見解
  3. ^ “【中山グランドジャンプ】美浦レポート~バシケーン | 競馬実況web | ラジオNIKKEI”. keiba.radionikkei.jp. 2010年12月30日閲覧。
  4. ^ “【中山大障害】バシケーンG1初V!“断髪式”決行へ”. スポーツニッポン. (2010年12月26日). https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2010/12/26/kiji/K20101226Z00002710.html 2022年2月7日閲覧。 
  5. ^ “バシケーンが左前脚故障 9カ月以上の休養へ”. スポーツニッポン. (2011年3月4日). オリジナルの2016年3月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160304105049/http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2011/03/04/kiji/K20110304000362350.html 2011年3月4日閲覧。 
  6. ^ a b “バシケーン号が競走馬登録抹消”. JRA公式サイト (2012年11月23日). 2012年11月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月23日閲覧。
  7. ^ a b “10年中山大障害で優勝 バシケーン引退”. スポーツニッポン. (2012年11月23日). https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/11/23/kiji/K20121123004619120.html 2022年2月7日閲覧。 
  8. ^ “相馬中村神社で第2の馬生を歩み始めたバシケーン/美浦トレセンニュース | 競馬ニュース”. netkeiba.com (2013年2月7日). 2016年3月1日閲覧。
  9. ^ “相馬野馬追で会った元競走馬たち - 島田明宏 | 競馬コラム”. netkeiba.com (2013年8月3日). 2016年3月1日閲覧。
  10. ^ バシケーン - 引退名馬、2022年5月5日閲覧。
  11. ^ a b c “血統情報:5代血統表|バシケーン”. JBISサーチ. 一般社団法人日本軽種馬協会. 2018年11月3日閲覧。

外部リンク

啓衆社賞
1950年代
1960年代
  • 60 ロールメリー
  • 61 トサキング
  • 62 ライトリア
  • 63 タカライジン
  • 64 フジノオー
  • 65 フジノオー
  • 66 ホウラン
  • 67 ヤマニンダイヤ
  • 68 フジノホマレ
  • 69 ハードオンワード
1970年代
優駿賞
1970年代
1980年代
JRA賞
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
1930年代

第1回 キンテン / 第2回 イサハヤ / 第3回 オーシス / 第4回 ジユピターユートピア / 第5回 トーナメント / 第6回 フソウ / 第7回 キンテキ / 第8回 トクタカ / 第9回 リードアン / 第10回 コクオー / 第11回 シヤインモア

1940年代

第12回 キヨクジツ / 第13回 スタミナ / 第14回 ライハルオン / 第15回 ゼーアドラー / 第16回 ホウカツピータ / 第17回 バイエル / 第18回 モトクマ / 第19回 カミワカ / 第20回 ニユージヤパン / 第21回 フクレイ / 第22回 ブルーホマレ / 第23回 カミカゼ / 第24回 ブランドライト

1950年代

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1960年代

第44回 ロールメリー / 第45回 ロールメリー / 第46回 クニハヤ / 第47回 トサキング / 第48回 フエニツクス / 第49回 ライトリア / 第50回 ゴールデンオーザ / 第51回 フジノオー / 第52回 フジノオー / 第53回 フジノオー / 第54回 フジノオー / 第55回 ミスハツクモ / 第56回 アドミラル / 第57回 ホウラン / 第58回 クニハヤヒメ / 第59回 ヤマニンダイヤ / 第60回 フジノホマレ / 第61回 タジマオーザ / 第62回 ホンマルシロー / 第63回 マウントブゼン

1970年代

第64回 ハセタカラ / 第65回 リクオー / 第66回 ナスノセイラン / 第67回 開催取りやめ / 第68回 ナスノセイラン / 第69回 マスヒロ / 第70回 ナスノヒエン / 第71回 クリユタカ / 第72回 グランドマーチス / 第73回 グランドマーチス / 第74回 グランドマーチス / 第75回 グランドマーチス / 第76回 エリモイーグル / 第77回 サクラオンリー / 第78回 バローネターフ / 第79回 バローネターフ / 第80回 ファンドリナイロ / 第81回 バローネターフ / 第82回 バローネターフ / 第83回 バローネターフ

1980年代

第84回 オキノサコン / 第85回 カチウマタロー / 第86回 ナカミショウグン / 第87回 テキサスワイポン / 第88回 キングスポイント / 第89回 キングスポイント / 第90回 オキノサキガケ / 第91回 オキノサキガケ / 第92回 メジロジュピター / 第93回 メジロアンタレス / 第94回 ブルーフラール / 第95回 オンワードボルガ / 第96回 ライバコウハク / 第97回 ハッピールイス / 第98回 メジロアンタレス / 第99回 シノンシンボリ / 第100回 メジロアイガー / 第101回 ヤマニンアピール / 第102回 キョウエイウオリア / 第103回 メジロマスキット

1990年代

第104回 パンフレット / 第105回 ワカタイショウ / 第106回 シンコウアンクレー / 第107回 シンボリモントルー / 第108回 シンボリクリエンス / 第109回 シンボリクリエンス / 第110回 メジログッテン / 第111回 ブロードマインド / 第112回 ブロードマインド / 第113回 ローズムーン / 第114回 ダイカツストーム / 第115回 フジノスラッガー / 第116回 ポレール / 第117回 ポレール / 第118回 ポレール / 第119回 ケイティタイガー / 第120回 ノーザンレインボー / 第121回 ビクトリーアップ / 第122回 ゴッドスピード

2000年代

第123回 ランドパワー / 第124回 ユウフヨウホウ / 第125回 ギルデッドエージ / 第126回 ブランディス / 第127回 メルシータカオー / 第128回 テイエムドラゴン / 第129回 マルカラスカル / 第130回 メルシーエイタイム / 第131回 キングジョイ / 第132回 キングジョイ

2010年代
2020年代