ゲルフォントの定数

ゲルフォントの定数(ゲルフォントのていすう、英語: Gelfond's constant)は数学定数の一つで、ネイピア数 e円周率 π を用いて eπ と表される数である。小数表示は

eπ = 23.14069 26327 79269 00572 90863 67948 54738 02661 06242 60021 19934 45046 40952 43423 50690 45278 35169 71997 06754 92196 76… (オンライン整数列大辞典の数列 A039661)

である。この数はロシア数学者アレクサンドル・ゲルフォント(英語版)にちなんで名付けられた。ゲルフォントの定数は eπ と同様に超越数である。このことはゲルフォント=シュナイダーの定理から証明できる。

数学的性質

eπオイラーの公式

e i x = cos x + i sin x {\displaystyle e^{ix}=\cos x+i\sin x}

から以下のように変形できる。ここで i虚数単位である。

e π = ( e i π ) i = ( cos π + i sin π ) i = ( 1 ) i {\displaystyle e^{\pi }=(e^{i\pi })^{-i}=(\cos \pi +i\sin \pi )^{-i}=(-1)^{-i}}

ゲルフォント=シュナイダーの定理は 「a を 0, 1 でない代数的数b有理数でない代数的数とすると、ab は超越数である」という内容である。a = −1, b = −i はこの条件を満たすので、(−1)i は超越数である。すなわち eπ は超越数である。

ちなみに、ee, ππ, πe などは有理数であるのか無理数であるのか超越数であるのか否かは証明されていない。

k 0 = 1 2 {\displaystyle k_{0}={\frac {1}{\sqrt {2}}}} として

k n = 1 1 k n 1 2 1 + 1 k n 1 2 {\displaystyle k_{n}={\frac {1-{\sqrt {1-{k_{n-1}}^{2}}}}{1+{\sqrt {1-{k_{n-1}}^{2}}}}}}

と定義されるとき、 数列

( 4 k n + 1 ) 2 n {\displaystyle \left({\frac {4}{k_{n+1}}}\right)^{2^{-n}}}

eπ収束する。

eππほとんど整数である。

eππ = 19.99909997918947…

関連項目

外部リンク

  • Weisstein, Eric W. "Gelfond's Constant". mathworld.wolfram.com (英語).